あらためて「照明論」

画像検査の目的は、ほとんどの場合、目視検査の代替を狙ったものです。
目視検査は、一般室内光か明るい蛍光灯下で行われるのがほとんどです。
しかしながら画像検査に用いられる照明器は、LEDが用いられることが多いようです。
LEDで欠陥のコントラストを上げて撮像するのが常識のように言われます。
ここが落とし穴。
・「ある欠陥」のコントラストを上げるだけであり、「すべての欠陥」のコントラストを上げるわけではない。
・単波長だ、指向性だと「工夫」の結果、目視で見慣れた画像とかけ離れた画像になり、目視検査との相関性が無くなる。
・根本的に暗い。暗いからコントラストが上がらない。
・「鋭く光って見える」のは、たまたまカメラの指向性と照明の指向性が一致しただけ。少し傾けばとたんに暗くなる。目視検査の場合は、手で動かすことで「一瞬鋭く光る」ために見つけやすい。これは「人の目」が凄いのではなく、「手」との組み合わせで実現されているに過ぎない。
結局、照明は、
1)一般室内光に似た照明系
2)指向性の弱い同軸落斜
があればほとんど事足りる。
このどちらかでダメならば、安定した画像が撮れないことになり、画像検査には向かないと思います。
正直、「コレ」という照明器にはまだ出会っていません。
ただ作るためのアイデアは沸いてきており、自作するか、メーカーに製造委託するか思案しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です