「画像検査」に良心はあるか?
最近、デモ機を大量に投下していることもあり、いろいろな評価結果をいただくことが多くなりました。
その中には「○○用検査装置」としてハンドリング付きで販売されているものと比較評価されたものもあります。あちらは「完成装置」、こちらは「簡易実験環境」であり単純比較はできませんが、おおむねFIに軍配を上げていただいています。もっとも100点満点とはいかず「照明に工夫が必要」とのコメント付きですが。
気になったのは、あちらは「完成装置」でありながら、あまりにも「×」が多かったこと。技術レポートや展示会において実機のチェックも入れており、「何か怪しい」感はあったのですが、「やっぱり」といったところ。
この手の話があまりにも多すぎます。
本当に「現場を満足させたい」と思ってやっているのでしょうか。
確かに「外観検査装置」のニーズは高く、商売としては魅力があるのかもしれません。
でも中途半端な装置を堂々と販売する姿勢は許せません。
当方のスタンスは、
1)操作が簡単なものを作る
2)検出能力が最強レベルのものを作る
3)しっかり見極めていただくためにも、「お試し購入」できる価格帯で提供する
というもの。とにかく「動かない外観検査装置」は作りたくありません。
「外観検査装置」で商売をされている業者さんは、自分の罪を認めたくない方々が実に多いことでしょう。大抵は、ワークのせいにされてしまいます。追加費用を再三再四要求され良い金づるなのかもしれません。
検査装置の業者は犯罪者扱いですか。厳しいご意見です。カメラで見ると同じような濃度差を良品・不良品を判別するのが技術的に困難な事が多いです。ご購入の前にはそのことを品質管理者(購入権利を持っている方)に説明し、さらに値切られる一方で、機能を削ることが多いです。しかし、実際に導入した後には、現場オペレータさんから検査結果について文句を言われ、もめることも少なくありません。そこで追加費用を頂き、厳しい納期で対応していくわけですが、金づるにされていると思われているユーザーさんが多いのでしょうか。なかなか努力が報われず悲しい立場です。
私自身、以前は検査装置メーカーの「実働部隊」として同様のことをやってましたので気持ちはわかります。「こんなことをやって誰が喜ぶか」を考えると耐えられなくなって独立。「現場が喜ぶものを作ろう」と細々(まともにやったら成り立つ商売ではない)とやっています。
問題なのは、「負の側面」が表に出ないまま「画像検査」が一般的になってしまったため、「権限者」にすれば「導入しなければ競争に負ける」「(困難ときかわれても)何とかなるだろう」と思い「GO」してしまう。(だいぶ減ってきていますが・・・)
そして泣くのは「現場」と「検査装置メーカーの実働部隊」。
「画像検査」は怪しい。だから
1)検査装置メーカーは「実機」を評価できる環境を準備する。
2)ユーザーは必ず「実機」で評価し「どの程度までが実現可能か」を判断する。
という「常識」を作らなければいけないと思います。
今、外観検査装置の導入を検討しているのですが、ある「パターン」があることがわかりました。
その「パターン」ですが、まず「不良品」サンプルをメーカーに送り「この検査はできますか?」と聞くとほとんどのメーカーは「可能です」との回答が返ってきます。
そしてサンプルワークの不良箇所の抽出画面が添付されてきます。
しかし、その欠陥の抽出方法や照明は同一条件でなく、その都度変更されていることが多いです。
メーカーの検証は、一番良い条件で行われています。
このことをしっかり理解しておかなければ、導入するとトラブルが発生することが多いと思います。
私は、まず自分の目で確かめないと怖くて導入できません。
デモ機が借りれるとこは貸出しをしてもらい自分で触って確かめます。
貸出しがないところは、メーカーまで出向いて自分の手で設定や操作性を確認します。
そうするとメーカー検証の資料とは違う結果がでることが多いのです。
マニアックな設定は、量産時には使えないので設定は簡単な設定で照明などのセッティングも汎用性があるものでなければ運用することは難しいと思います。
メーカーの検証は参考程度に思い、自分で検証することをお勧めします。
あと、画像処理は万能ではないので100%目視の置き換えは難しいと思います。
出来ること、出来ないことを十分検証しその「出来る」範囲の中で有効活用することが「検査装置を生かせる」方法なのではないでしょうか。
yamadaさんが言っておられる、
「権限者」にすれば「導入しなければ競争に負ける」「(困難ときかわれても)何とかなるだろう」と思い「GO」してしまう
弊社の役員も同じ考えで、「まず検査装置を導入しろ!」と言っております。
しかし、検証もあまりすることなく導入して問題があった場合は
検査装置=使い物にならないモノ
となりそこで検査装置は終わってしまうと思います。
使えるモノでなけれは、今後の発展もなくなるので導入前には十分な検討が必要だと思うのですが・・・ なかなか理解してもらえない状況です。
ちなみにFIのデモ機を借りているのですが凄いです。
検査装置の導入に「光」が見えてきました。
みなさんコメントありがとうございます。
#コメントにあるようにmasaさんのところは、現在貸出機にて評価を行っていただいています。競合数社と比較検討されているとのことです。
現在、当社の最大の競合?は、「画像」を経験したユーザーの「画像はダメ」という先入観です。このままの流れでは、この業界は立ちゆかなくなる可能性が高いと思います。
ユーザーの信頼を回復するためには何をすべきか今一度考え直さないといけないのではないでしょうか。
色々調べ物をしてここを見つけました。
画像処理を使った検査装置メーカーの営業をやっております。
サイトを拝見しました。実際に見なくてもFIは非常に良い物と感じます。
現場が満足してくれない検査装置は、次がありませんので常に重要視しております。
ただ、ハンドリング込みの画像処理装置に求められる内容が、本来の導入目的から脱線する傾向が多くなっています。
一番大事なのは良品と不良品の判別なのですが、様々な事情で付加価値を求められます。例えば、不良項目の識別、完全に目視が無くならなければ駄目など。。。
私の場合、懸念事項は全て説明します。画像処理装置の営業なのに出来ないばかり言ってる事もあります。(それで信用を得る事もしばしば)
揉めるケースの一つは、どれほどしっかり説明しても、高額な買い物したのだから、多少は後から何を追加、変更してもOKだと思っている方が、少なくともいる事です。
不良を項目ごとに識別しなければならないようなオーダーで、後からワークが出てくるのは、さすがに厳しいです。
FI以外の画像処理装置は、厳しい意見ばかり書かれていますが、そうでない会社も多いと思います。
ちなみに照明条件や、抽出条件を都合に合せて変えた事を隠すことってあるのでしょうか。たとえ受注になっても大問題になるのが見えていまるので驚きです。変える事自体が悪い事でなく「この例はこの条件でないと駄目でした」の説明か記述は当然入れます。
たしかに一部で「画像はダメ」という先入観を持っています。
画像処理装置は、新しく出来るようになった技術ばかりが注目される事に問題があると私は思います。効率の良い運用方法?、画像処理の考え方?の部分が一般的に認知される事が業界のさらなる発展に必要と思います。
appleさん、コメントありがとうございます。
>サイトを拝見しました。実際に見なくてもFIは非常に良い物と感じます。
言葉だけで信じてはいけませんよ、この業界。
>現場が満足してくれない検査装置は、次がありませんので常に重要視しております。
たしかにこれが最重要だと思います。
ところがこれが非常に難しいのも事実。
>ただ、ハンドリング込みの画像処理装置に求められる内容が、本来の導入目的から脱線する傾向が多くなっています。
>一番大事なのは良品と不良品の判別なのですが、様々な事情で付加価値を求められます。例えば、不良項目の識別、完全に目視が無くならなければ駄目など。。。
「画像検査で何でもできる」といって売ってきた業界のミスリードの結果だと思います。
良品と不良品の判別だけであればそれほど難しい話ではないのですが、対象物によって異なる不良項目の識別はとてつもなく難しい話です。文字認識だ顔認識だと一生懸命に研究されているにもかかわらず100%は程遠い状況であることを考えると、一つの欠陥を認識することでも難しいことだと気づくべきなのですが。
あと完全に目視をなくすというのも難しいです。必ず「良否の判断が難しいもの」が存在し、それを画像で判断してあやまって流出させたら大問題。よって、機械的に「良品」と判断できるものを選別し、そのほかは人間の判断に頼るしかないと思います。
>私の場合、懸念事項は全て説明します。画像処理装置の営業なのに出来ないばかり言ってる事もあります。(それで信用を得る事もしばしば)
たしかに「できない」といえる営業が信頼を得るのは事実です。それぐらい業界は荒みつつあるのかもしれません。
#でも「営業」という職務上「売らなければいけない」つらさもお察しします。
>揉めるケースの一つは、どれほどしっかり説明しても、高額な買い物したのだから、多少は後から何を追加、変更してもOKだと思っている方が、少なくともいる事です。
この答えが「完成品を売る」ことだと思います。
カスタムで受注生産をやっている以上、上記の問題からは逃げられないと思います。
>不良を項目ごとに識別しなければならないようなオーダーで、後からワークが出てくるのは、さすがに厳しいです。
これは絶対に無理です。
>FI以外の画像処理装置は、厳しい意見ばかり書かれていますが、そうでない会社も多いと思います。
あるとは思いますが、多くはないと思います。
つらいのは「正直にやれば商売にならない」仕事であるということ。これは間違いないと思います。
で「FI以外の?」ですが、現場を満足させられるものであればOKだと思います。ただ私自身FIに教えられたことは非常に多く、この業界のこの状況の中で「伝えるべきものは伝えなければ」と考えています。判断は「現物」でやって貰えればよいと思います。
>ちなみに照明条件や、抽出条件を都合に合せて変えた事を隠すことってあるのでしょうか。たとえ受注になっても大問題になるのが見えていまるので驚きです。変える事自体が悪い事でなく「この例はこの条件でないと駄目でした」の説明か記述は当然入れます。
appleさんのような営業さんばかりなら、今の状況にはなっていないと思います。他社との比較結果を見せていただくことも多いのですが「オイオイ」というものが多いです。だからmasaさんの「自分で確認する」という姿勢は非常に重要です。
>たしかに一部で「画像はダメ」という先入観を持っています。
>画像処理装置は、新しく出来るようになった技術ばかりが注目される事に問題があると私は思います。効率の良い運用方法?、画像処理の考え方?の部分が一般的に認知される事が業界のさらなる発展に必要と思います。
一緒ですね。
私はたまたまFIの方法を見つけてしまった。ここから得られた思想を伝えていかなくてはならないと考えています。
http://www.imaging-association-japan.com/seminer.html
でタイトルを見るだけでも当方のものはどうみても異常。
「現場」を考えるとこうであってはいけないんですがね。
#もっとも「確信犯」なんですが・・・。
appleさんのような業界人が増えることを期待します。