自動外観検査の「夢と現実」
自動化が進んだ工場において、明らかに自動化が進んでいない外観検査工程。
多くの製造業にとっては、外観検査の自動化は間違いなく「夢」の技術だと思います。
実際、20年以上前から、産学官で研究開発が進められてきました。
そして、多くの外観検査装置が開発され、現場に投入されてきました。
ここまでは間違いなく事実です。
ただそれらの外観検査装置の現実は・・・
稼動しているものもあるとは思いますが、伝え聞くのは「満足いくレベルではない」というものばかり。
何時間もかけて設定しなれればならないものなら、人がやった方が早い。
検査できない項目があれば、結局、全数検査をやりなおさなければならない。
目視担当者は削減できたが、検査装置を扱えるスキルの高い人が必要になった。
投資を考えると、人海戦術でやった方が・・・。
今でも自動外観検査は「夢」の技術なのです。
大手企業を含め、「もう夢ではない」ようなキャッチで広告宣伝を行っています。
「会社の方針」だから仕方が無いのかもしれません。
しかし、
検査装置の開発者も
検査装置の営業担当者も
検査装置のメンテナンス担当者も
検査装置を日々運用する現場の方も
もうみんな気づいているような気がします。
ほんとうに「夢」であることを・・・
メーカーは「夢」を売り、ユーザーは「夢」を買う。
それがこの業界の現在・・・。
しかし「夢」の売買は、それに関わる人を確実に疲弊させます。
メーカーは「夢」を「現実」にして、ユーザーに示すべき。
ユーザーは「夢」であることを意識し、「現実」を判断すべき。
そうしないと、無駄な投資が繰り返され、製品の品質の悪化も招きかねません。
たぶんこんなことを言うのは私だけだろうとは思います。
でも誰かが声を上げないと・・・