自動車の外装部品の検査
以前から自動車の外装部品の検査のご相談はよくいただいていました。
しかしながら、
- 曲面かつ多面の検査であり、設定がかなり面倒なものになる。
- 欠陥が見える照明条件が、ほぼ「照明の映り込みの脇」に限定される。
- 光沢度が高い。またメタリック塗装でナシ地状。
など難易度が非常に高く、まったく太刀打ちできませんでした。
照明を工夫することで、欠陥を可視化する方法は見つけましたが、その画像はかなり不安定であり、良否判定できる方法が見つけられませんでした。(ここにノウハウがあるためブログでの画像公開は控えさせていただきます)
そんな中、ディープラーニングなら不安定な画像の中から欠陥だけを抽出できるかもしれないと淡い期待をもってトライしてみました。
- カメラと対象物の位置関係はバラバラ。(すべての部位が共通のAIエンジンで検査できれば多品種、多面への対応が可能)
- 不良品画像の欠陥部分にアノテーション(ラベル付け)を実施。100枚弱で1時間程度の作業。
- 異物や塗装ムラ(表面が微妙に凸凹しているもの)などをターゲット。
という「とりあえず当たりだけつけてみよう。無理だと思うけど。」というもの。
が・・・
- NG画像における欠陥個所はすべて検出。(学習に用いた画像も含まれます)
- OK画像において「全画素OK」が7割程度。理由がよくわからない小さな過検出画素がちらほら残るものの、「こんなのも見つけるの?」というレベルの「想定外欠陥」も。「信頼度」や「面積」のしきい値まで実装すれば、過検出は抑制できるのではと期待。
という結果になりました。「まさか」の結果です。
本来であれば展示会でお披露目したかったのですが、展示会は中止に。欠陥の可視化のノウハウまでオープンにならなくてよかったと前向きに考えます。
ご興味を持たれた方、ご一報いただけましたら「生画像」と「検出結果」を送付させていただきます。