さらに、KEYENCEのVJシリーズ

画像に現れない欠陥はどのようなアルゴリズムをもってしても検出することはできません。
よって、いかに欠陥を可視化するのかが非常に重要になります。

外観欠陥は大きく2種類に分けられます。
キズなど形状に関わる欠陥と、汚れなど色に関わる欠陥です。

前者は、光源からの反射光が角度によってカメラに入ったり入らなかったりすることで画像に現れます。
表面の光沢度が高い場合は、反射光が正反射に近い位置関係でないと、欠陥部で反射した光がカメラに入らないため、光源の映り込みのすぐ脇でないと白く光って見えません。そのため目視検査員は手であおって光源の脇に注目した検査を行います。
表面の光沢度が低い場合は、特定の方向の光を反射してカメラに入ると白くなり、逆に反射光が減ると黒く見えます。散乱光も強いためコントラストは高くないのですが、光源の方向を変えると顕著に白くなったり黒くなったりするので、これを利用すれば可視化しやすいと考えられます。
ただ光沢度が低くなだらかな凹凸のような欠陥は光源の方向を変えてもほとんど画像の変化はでないため、可視化は極めて難しいと考えられます。

後者は、光源からの光が表面で散乱する状態の異常と考えられます。散乱する波長の変化=色の変化です。光沢度が高く散乱光がほとんどない対象物では発生しません。また散乱光ゆえ照明の方向を変えても画像にはほとんど変化がでないという特徴があります。

という知識は経験的にもっていました。

その知識をもってKEYENCEのVJシリーズのラインナップを見ます。

  • 高光沢な対象物にはLumiTrax 正反射モード。光源の方向を変えながら、光源の映り込みのすぐ脇を狙って複数回撮像。方向によって相当な輝度変化が出るため、形状欠陥がかなりのコントラストで撮影可能ではないか。
  • 一般的な形状欠陥はLumiTrax。光源の方向により輝度変化が生じる部分を形状画像として取得可能。輝度変化が生じない散乱光依存の「色」などの影響を除去した画像が取得できる。目視検査員が回しながら検査しているイメージに近い。
  • 低光沢でなだらかな凸凹欠陥はパターンプロジェクション。この手の欠陥は、通常の照明方法では可視化は不可能であり、立体として撮像するしか手がないのではないか。もっとも人でもかなり見づらい欠陥でありそのレベルの外観検査が必要かは謎。
  • 色欠陥はマルチスペクトル。ただ形状欠陥を伴わない色欠陥のほとんどは、対象物の機能としては満たしているはず。目立つものだけ除去できれば良いと考えれば、それほど高精度な色検出にニーズは少ないかも。

外観検査用途であればLumiTrax一択でしょうか。既存のカメラ、照明とは明らかにレベルが違います。
欠陥の可視化問題はほぼこれで解決できます。

問題は「見えすぎ」。ここからはアルゴリズム勝負かなと思います。

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