画像認識と画像検査
画像認識は「画像から情報を取り出す」技術。文字認識、顔認識・・・。
考え方を拡張すれば、画像による寸法計測や面積計測も含まれます。
画像に対し、どこから、どうやって、どのような情報を取り出すかを設定することで実現されます。
画像認識をベースにした画像検査では、取り出された情報を評価することで良否判定を行います。
この方法は、非常に技術力を要し、学問的にも非常に意義あるものだと思います。
しかし、工業製品の画像検査では必ずしもこのような高度な技術は必要有りません。
話は簡単で、
工業製品には「他の良品」という絶対的な「正」があります。
この「正」と全く同じ画像になるなら、それは「正」と判断せざるを得ません。
これ以上、確実な方法は存在しません。
問題は「正」のもつ揺らぎをどのように吸収するかのみ。
あまりにもバラツキが大きく、明確な「正」が定義できない場合にのみ「認識」を行い、「情報」があっていればOKとやれば良い。
結局のところ、世の中の画像検査装置は難しく考えすぎ。
ロボットの知能化などならまだしも、何が来るかが分かっている画像検査でなぜ「認識」を行う必要があるのでしょうか。「認識」のための設定が画像検査を難しいものにしている元凶だと思います。
反論もあるかと思いますが、最後に。
画像検査は1/10000でも不良品を流出させてはいけません。
どんな不良がきても、不良は100%はじかなくてはいけません。
誤認0が要求されるのです。
ただ「正」が定義できるという最大の利点がある。
「認識」と「検査」は、要求されるものが異なります。
これを頭においておくだけで「画像」の考え方が大きく変わります。