「品質」を生み出す

10個生産したとします。
うち7個が完全な良品、1個が不良品、2個が判断が難しい「グレー」品とします。
○○○○○○○△△×
ここに2台の検査装置があります。
1)歩留90%を誇る検査装置
2)歩留60%だが「完全な良品」だけを取り出せる検査装置
前者で検査すると、
○○○○○○○△△ と ×
になります。
後者で検査すると、
○○○○○○ と ○△△×
になります。
一見、前者の方が優れているように見えますが、前者では怪しい「△」も良品と判断されているため「不良品流出」が発生します。となると、「9個の中から2個の怪しいものを見つけ、それの良否を再検査する」必要があります。不良品の1個だけ再検査する必要がなくなったため、省人化効果は10%です。
一方後者の場合、6個は「完全な良品」であるため安心して出荷できます。残りの4個だけを再検査すればよいことになります。省人化効果は60%です。また再検査の作業も「○△△×」の中から良品を取り出す作業であり、「○○○○○○○△△」から不良品を取り出す作業に較べて、圧倒的に楽であり、かつ不良品を流出させる可能性は低くなります。
「画像」に限らず、自動検査装置は「省人化」に注目されますが、「完全な良品」だけを取り出せば「品質」を作り出すことが可能になります。「検査装置は不良品を作る装置であり、何も生み出さない」とも言われますが、考え方を変えれば「品質を生み出す」ものになるのではないでしょうか。

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