「自動外観検査」という魔物

「自動外観検査」に対するニーズは、いまさらマーケティングをする必要も無く、
とんでもない量が存在します。
自動化が進む工場において唯一、自動化が遅れている領域だと思います。
そのため「ビジネスになる!」と新規参入を考えている方も少なくないと思います。
ただ・・・そんな甘い世界でないのは確実です。
まず、外観検査自体、あまりに主観的であることを意識する必要があります。
よく「仕様書で責任範囲を明確にすれば大丈夫」という方もいます。
しかし経験してみればわかるのですが、仕様書なんてなんの効果もありません。
必ず「仕様書外」が出てきます。あくまで主観ですから。
流血覚悟で頑張ってとことん付き合うのか、仕様書を盾にして突っぱねるかは自由です。
さらに「コスト」の問題。
外観検査は人ができる作業だから、人海戦術でも対応取れます。
だから自動化が進まなかったのでしょう。
「いいものができたから数千万で売ろう!」と思っても、その価格帯には
ニーズはほとんどありません。
あるのは「数百万」の価格帯。ちょっと開発費をかければすぐに赤字事業に
なってしまうことは確実です。また現地調整の費用をしっかり見ておかないと
とんでもないことに・・・。
そして過去の失敗案件の山・・・
ほとんどのユーザーがすでに一度はトライしている状況になってきています。
すでに「うまくいかないもの、何か怪しいもの」という認識が急速に広まっています。
そんな中で「ちょっと違う」程度のものを持っていっても、新規開拓は難しいでしょう。
ユーザーの方が経験豊富というパターンがかなり多くなっている中での
営業活動は、相当なスキルのある人でないと難しいと思います。
「どうしても!」というなら止めませんが、
ユーザーに迷惑をおかけしないようにお願いします。

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