運用コスト

自動外観検査を検討するに当たり、導入コストについてはかなり検討されるのですが、導入後の運用コストについてはあまり考えられていないような気がします。
現在の「画像処理を駆使して」検査を行う方法では目視検査員は減らせても、画像処理技術者が必要になります。
「いったん設定できたら技術者は必要ないのでは?」と思われるかもしれません。対象物がずっと同じ状態であればいいのですが、材料が変わる、工程の状態が変わる、照明の明るさが変わる・・・常に対象物は変わります。よって、画像処理技術がなければ「画像処理を駆使する」自動検査の運用は不可能であり、結局、人件費の削減になるかは疑問です。
そして自動検査装置の検出能力についても考える必要があります。
検査できない項目があれば、目視で再検査を行う必要があります。それでは検査装置を入れる意味はほとんどありません。
そのためどうしても厳しい検査を行う必要があります。そうした場合、良品率がどの程度なのかが重要になります。良品率8割であれば2割の目視検査コストは考えておく必要があります。
というより、すでに運用中であるならその検査装置の運用コストは計算できると思います。是非一度計算してみてください。目視検査と比べて運用コストの方が大きくなっていませんか?
導入コストを回収しようとして、無理に運用を続けていくとマイナスがどんどん大きくなっていきます。運用をやめた方が良いというパターンは少なくないのでは?

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