寸法計測
ときどき「FlexInspectorで寸法測定はできますか?」という質問をいただきます。
機能としては簡易なものをもっているのですが、多くの場合、「できません」と回答させていただいています。
これは思想の問題かもしれませんが、「寸法測定しても目視検査の代わりにはならないから。目視検査の代わりにならなければ投資するメリットが無いから。」というのが理由の一つです。寸法なんてのは、対象物のごく一部の情報を取り出しているに過ぎず、傷は?異物は?といわれると使えません。また、同じ寸法を測るなら、レンズの歪や光の具合などに影響しない計測工具で測定すべきだとも思います。
さらに、良品の公差が±1%だとしても、ほとんどの良品は±0.1%に仕上がっているような状況が多く、±1%に設定した公差に引っかかりだす頃には、かなりバラツキの大きな製品を出荷していることになります。誤差を考えれば相当数の公差オーバーを良品判定していることに。
良品に発生するわずかな変動をキャッチできるほどの検出能力があれば、即座に工程の異常を顕在化させることが可能になります。
無理に測って、緩々の公差で判定しているようでは、永遠に「目視検査の代わり」は難しいと思います。
「目視検査は全て見ている」 この事実に気付く必要があります。