同軸ドーム照明OVDU-C120Wの威力

先日の京都市内のユーザーさまから、もう少しどうにかならないかとご連絡をいただきました。

実験レベルでは、当社が実験で頻繁に利用している同軸ドーム照明OVDU-C120Wを用いることで金属表面の圧延筋をほぼ完全に消すことが可能であることがわかっていました。しかし、高画素カメラで50mm角程度を撮像している関係で、この照明では画角が足りないと思い込んでいました。

今回、試しに現場に持ち込んだところ、特に問題なく取り付けることができ、そのまま運用状態に入りました。

効果はテキメン。照明の指向性によりランダムに発生していた金属表面の筋目(圧延筋)がまったく見えなくなり、検出すべきメッキとのS/Nを十分に確保できるようになりました。表面の輝度ばらつきσは2以下、±3σでレンジが10程度となり圧倒的な検出能力を持つようになりました。担当者からも「パーフェクト」のコメントもいただきました。

この照明器を常用するようになってから、LED照明器の指向性は画像処理に必ずしもよい影響を与えていないと感じるようになりました。特定の欠陥を狙ったある方向からの光に期待してはいけない。欠陥のコントラストを無理に上げるということは、わずかな変化を増幅させることになり、結果的に良品の画像さえも不安定なものにしてしまう。

本当に必要な照明器は、良品からは安定した画像を取得し、欠陥が画像上で認識できるもの。
もっとも画像上に生じたわずかな変化を検出しうる画像処理技術あってこそですが・・・。

※この照明器は対象物の立体感、傷のコントラストを低下させます。万能ではありません。これらを解決する方法も別途検討が進んでいます。

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