「欠陥」はなぜ「欠陥」なのか
目視検査において、「欠陥」はなぜ「欠陥」と判断されるのでしょうか?
二値化レベルも寸法公差もわかっていなくても、どうして「欠陥」と判断できるのでしょうか?
一つは「いつもと違うから」です。
ほかの良品と同じように見えるのに、片方が良品で片方が不良品なんてことはありえません。もちろん、目視では見えないところは別問題です。
もう一つは「推測されるパターンと違うから」です。
たとえば、白い紙の上の黒点などは、真っ白であることが推測されるのに黒い点があるから、それは欠陥。ほかにも、繰り返しパターンなのに一部に乱れがあれば、それは欠陥。
ただこの考え方では、判断を誤る可能性があります。黒い点もパターンの乱れも、存在することが「正」であり、存在しないことが「誤」かもしれません。
画像検査で一般的に用いられるロジックと、目視検査で用いられるロジック、この差があまりにも大きいことが画像処理を難しいものにしている主因だと考えます。画像検査において思うように動かなかったとき「人の目は凄い」といって諦める話をよく聞きますが、根本的な考え方に問題があることが多いような気がします。