「画像センサ、という装置について考える」
業界紙である映像情報インダストリアルの今月号に表題のような画像センサについての記事が載っています。画像センサメーカーから見た画像処理装置、画像処理装置メーカーから見た画像センサについての取材記事です。
用途は似ていますが完全に別の業界を作り上げてきた両者の現状が読めて面白いです。
「うまい!」と思ったのは画像センサメーカーの「目視による検査を100とすると、SIによるカスタムの画像処理で検査できるのは半分の50ぐらい。でも画像センサはさらに半分の25程度かというとそんなことはなく、40ぐらいはカバーできる。画像センサメーカーはそう捉えている。また、それに気付いているユーザーも多い。」というくだり。
私もそう思います。メーカーによっても差は有りますがほぼ当たりだと。
このコメントで注目したいのは、画像センサメーカーは40/100の商品であることを認識して販売しているという点。これは悪いことではなく、「完成品をユーザーに提示して評価していただき、それで事足りるなら販売する」という考え方で安価に提供するというビジネスモデルであり正解だと思います。
そしてもう一つ、カスタムの画像処理でも50/100だと認識している点。高い開発費をかけてカスタムで作ったとしても現実的にその程度であり、それが判断できるのは納入後に装置を動かしてはじめて、というビジネスモデルはもう行き詰っていると思います。(もっとも完成品であっても十分に評価できないのでは同じですが・・・)
読む人によってはいろいろなとり方ができる記事です。ぜひご一読を。
余談.そういえば以前、映像情報インダストリアルの編集者の方とお話させていただいたとき、「なぜ画像センサを記事にしないのか?」と尋ねたことがありました。ようやく実現したのですね。