「モノづくり」と「画像処理」
今日の日刊工業新聞の社説に、「ある工場では顧客クレームや不良品が増えてきた」とあります。
正直なところこの一因に、「画像処理検査の普及」があるような気がします。
ご承知のとおり、現在の画像処理検査のレベルは「判断力」の点で人に劣ります。画像から僅かな情報(寸法や面積)を取り出し、それだけを判断して良否判定を行っている検査装置がほとんどです。
そして検査装置の結果を信じて、目視検査無しで出荷してしまうことが少なくありません。
目をつぶってノギスでごく一部の寸法を測っただけで出荷している感じでしょうか。
こんな部品が集まってきて出来上がった製品は不良がでても仕方がないのかも知れません。
目視検査と画像処理検査の大きな違いは、前者では「全体的におかしいところがないか」を総合的に判断してから、寸法などの「個別判断」を行います。しかし、後者では「全体的におかしいところがないか」を判断できるものは稀で、「個別判断」だけを行うものです。
では画像処理検査はどうしたらよいか。その答えは「良品と同じかどうかを検査する比較検査」しかないと思います。「良品と同じならOK、違えばNG」です。そして、良品と同じ部品だけで製品を組み立てれば、できあがった製品のバラツキも小さくなり、不良品も減るのではないでしょうか。
私自身、FlexInspectorを開発&販売していく中でこの事実に気づかされました。今の画像処理検査のやり方では危ない、それを伝えていくのが私の仕事だと思っています。