展示会にて(1)
展示会は私たちにとっても、市場の声をきく、非常に良い機会です。
今回の展示会のデモ機では、3機種のうち同軸ドームLED照明を2機、高周波点灯の蛍光灯(自社製)を1機用いました。同軸ドームは「良品の画像を安定させるため」であり、高周波点灯蛍光灯は「安価で大きく明るい面照明を必要としたから」です。
その中でよく聞かれた声は「LED照明では良く見えない」というもの。適材適所かもしれませんが、単波長(色がある)で、指向性があって、暗いというのはマイナス要因が多いと思います。少なくとも目視検査で用いている全波長(白色)で、指向性が弱く、明るい蛍光灯とは違う画像になります。
確かにLED照明が蛍光灯を駆逐する勢いがありますが、真のニーズは違うところにあるかもしれません。
ちなみに蛍光灯のネックは経時変化だと思います。しかしFIの導入事例からすると、照明の経時変化より対象物のロット間バラツキの方が短周期で振幅も大きく、本当に検出能力を上げようとするならロットごとに設定をやり直す必要があるようです。ロットごとに設定をやり直すならば、あまり照明の経時変化は意識する必要はないと思います。
なおFIのユーザーのいくつかは、ロットごとに良品を登録しなおして(100個ほど検査時と同じように製品を流していくだけ)、「そのロットが揃っていること」を検査しています。こうすることでロット間バラツキ、照明の経時変化の影響を排除した高感度選別が可能になります。