セミナーの最後でお伝えしたいこと
14日のセミナーで最後の1枚に、一番お伝えしたいことがあります。
おそらく300~400名のモノづくりの現場に関わる方々にお時間をいただける貴重な機会かと思い追加しました。
この仕事に関わっていると、さまざまな業種の不良品を見る機会があります。
もちろん機能に支障をきたす大きな不良もありますが、大半は機能的には何ら問題がなさそうなものです。細かな黒点だとか、ある角度でないと見えない細かなキズだとか。見た目が少し悪いからと不良品とされています。
またそのような不良品を管理するために、品質管理に大きな工数を割いています。
これはモノづくりのピラミッド構造においては、下位に行くほど「クレームを避けたい」という思いが強くなり、その傾向は強くなります。日本人の気質によりさらに強くなります。
行き過ぎた品質第一とも考えられるこの状況に生産現場のほとんどの方が「何かおかしい」と気づいていると思います。しかし、強固にできあがった品質システムの中で、誰も緩めようとは言い出せない状態になっています。一人の担当者で解決できる問題ではなくなっています。
そこで、ぜひ関係者みんなで検査基準の見直しを提案します。
ピラミッド上位の設計者が、その不良品は機能的に問題があるかの指針を示せれば、かなり状況は変わるような気がします。
設計者も緩めようとは言い出せない? ならば生産現場で1日でも実際に検査業務をやってみると、設計者目線での検査基準が作れるかと思います。
「使えるものは使う」という動きになれば、出荷できる数も増えますし、検査にかかる工数も減ります。破棄される不良品が減れば環境にも優しくなります。
そして、今までどおりの高い検査基準のまま、1人の生産技術担当者に「これを自動化してください」と無謀な戦いに送り出すことが無くなればいいなと思います。