AI時代の外観検査ソフト開発(第1回)
なぜ今、新しい外観検査ソフトを作るのか
外観検査ソフトウェアを開発し始めて、もう20年以上になります。
この間、FlexInspectorやFISシリーズは、多くのお客様の現場で使われ、多くの改良を重ねてきました。
一つひとつの機能は、お客様からの要望や、現場で発生した課題を解決するために追加されてきたものです。
言い換えれば、20年以上積み重ねてきたソースコードには、単なるプログラム以上の価値があります。
そこには、「現場で本当に動くためのノウハウ」が詰まっています。
では、なぜ今、新しい外観検査ソフトウェアを作ろうとしているのでしょうか。
理由は、今までのソフトウェアが古くなったからではありません。
AIの登場によって、ソフトウェアの作り方そのものが大きく変わり始めたからです。
以前は、ソースコードを理解し、設計を整理し、新しいプログラムへ発展させるには、膨大な時間が必要でした。
しかし現在では、AIが既存のソースコードを読み取り、構造を整理し、設計を支援してくれるようになりました。
これは、私たちのように長年ソフトウェアを育ててきた会社にとって、大きな転機だと感じています。
もちろん、AIがすべてを作ってくれるわけではありません。
どのようなソフトウェアを目指すのか。
どのような設計思想で構築するのか。
どのようなユーザー体験を提供したいのか。
こうした方向性を決めるのは、やはり人間です。
一方で、設計に沿った実装や整理、ドキュメント作成などは、AIが非常に力を発揮します。
「人が考えること」と「AIが得意なこと」を組み合わせることで、これまで以上に質の高いソフトウェアを、より速く開発できる時代になってきました。
現在、私たちは20年以上蓄積してきたソースコードを改めて見直しています。
目的は、古いコードをそのまま流用することではありません。
そこに埋め込まれた設計思想や、現場で培われたノウハウを抽出し、次世代の外観検査プラットフォームへ受け継ぐことです。
この新しいプラットフォームは、単なるバージョンアップではありません。
AI時代にふさわしい、新しい外観検査ソフトウェアの土台になることを目指しています。
このカテゴリでは、その開発の過程をできるだけ率直に発信していきます。
うまくいったことだけでなく、悩んだことや試行錯誤も含めてお伝えするつもりです。
AIとともにソフトウェアを開発する時代に、現場で何が起きているのか。
そのリアルな記録として、このシリーズを読んでいただければ嬉しく思います。
次回予告
「ソースコードは資産か、それとも負債か。」
20年以上改良を続けてきたソースコードを、AIはどのように読み解くのか。一般に「レガシーコード」と呼ばれるものの見方が、AIによって変わり始めていることについて書いてみたいと思います。

