似て非なる方法
画像処理の経験がある方に多いのですが、FlexInspectorを見て、
「パターンマッチングでしょ?」
「比較検査じゃないの?」
とコメントされる方が少なくありません。
FlexInspectorの手法は、パターンマッチングとも、比較検査とも異なります。
これらの手法は、
- 良品の持つバラツキや位置補正の誤差が考慮されない。
- 複数の良品を登録できたとしても高々数個に過ぎず、それではバラツキを吸収できない。
- 比較対象を増やせば速度が低下する。
- 一致度(類似度)で考えると欠陥場所が特定できない。
- そんな「神様良品」は存在しない。
など、実際の製品検査には不向きな方法です。
経験的にわかってきているのですが、良品を登録するタイプの検査手法で、目視と相関が取れるレベルの検出能力を得るためには50個程度(製品精度による)の良品登録が必要です。
FlexInspectorでは数100個以上の良品を登録することができます。
たくさん登録しても検査時間の低下はまったくありません。
「たくさん登録すると検査が緩くなるのでは?」というご質問をいただきますが、「たくさん登録するとより正確に判断するようになる」だけであり、どんどん登録しても大丈夫です。もっともある程度の数になると登録してもほとんど効果がなくなります。
ただし、良品のバラツキが大きいと欠陥がバラツキに埋まってしまうためにFlexInspectorは適用することはできません。たとえば農産物の外観検査には使い物になりません。