もし数分で設定ができる画像検査があったら・・・
現在の画像検査のほとんどは、設定して立ち上げるのに数時間、あるいはそれ以上かかるものが多いようです。そのためいったん設定したデータを長期にわたり使い続けられるように、また使いまわせるように、様々な工夫が行われています。
たとえば「照明の明るさを一定に保つ」とか「他のカメラで設定したデータを流用できる」とか。
しかしFlexInspectorでいろいろなものを検証してみると、様々なことが分かってきました。
1)照明の明るさを一定に保つより、ロット間のバラツキを一定に保つことの方がはるかに難しい。そのため高精度検査を行うためにはロットごとに微調整が必要になり、短期(=1ロット)的には、照明の明るさが一定であるかはあまり重要でない。
2)他のカメラで撮像した画像は、厳密には一致しない。高精度検査を行うと無視できない影響があり、使いまわすことは不可能です。一視野4個撮りしても、その4個はレンズの歪みのため同じ画像にはなりませんので、使いまわすことは難しい。
結局、高精度検査をするためには「ロットごとに設定を行う」ことが必要になってきます。「もし数分で設定ができる画像検査があったら・・・」ではなく、「できる画像検査」でなければ実運用は厳しいのではないかと思います。
あるFIユーザーでは、ロットの初めに数十個の良品を一気に登録しなおし、残りを「その良品と同じように仕上がっているか」で検査を行い実績を上げています。ここではロット間バラツキの影響はありませんし、照明も1ロットの間だけ安定していればよいことになります。